新浦安に住みたい。③ 住居編

ツインタワーマンションと街並みのイラスト 新浦安

概要

検討項目5つ(学区・住居費用・学童・保育園・送迎)のうち、本記事では住居費用について調査。②の学区編で候補は絞ったが、小規模学校選択制度があるので住所を学区に縛られすぎなくて良い。なので相場は新浦安エリア全体で見ていく。本記事で見るのは中古分譲マンション。国土交通省の実取引データ(直近1年の成約)で、海側と陸側の価格を比較する。

本記事の「海側/陸側」は京葉線の南/北で区分する。海側=明海・日の出・高洲(1990年代以降の新町)+美浜(1970年代埋立の第1期)、陸側=入船・富岡・東野。同じ海側でも新町と美浜は街の世代が違う。

具体的検討

データの出どころ

使ったデータは国土交通省「不動産情報ライブラリ」の取引価格・成約価格情報。実際に成約した価格のデータで、不動産サイトで表示される売出価格(希望価格)とは別物。新浦安エリア8地区の2025年4月〜2026年3月の1年分、計281件をダウンロードして自分で集計した。(集計にはAIも利用)

地区別の成約データ

地区件数㎡単価価格面積築年駅距離
高洲6370.0万7,300万100㎡築15年19分
明海2869.6万6,600万92㎡築23年20分
美浜3969.3万5,300万75㎡築40年4分
日の出5368.4万7,000万100㎡築22年22.5分
東野2757.6万4,400万70㎡築20年23分
入船3354.0万5,300万85㎡築44年6分
富岡3546.2万3,300万70㎡築46年16分

※数値はすべて中央値を採用(理由は「コラム」で)。今川は3件のみのため表から除外(単価61.3万)。駅距離は中央値。

分かったこと1:海側の㎡単価は横並び – 総額が高いのは「面積」のため。

海側4地区(高洲・明海・美浜・日の出)の㎡単価は68〜70万円でほぼ同水準。それでも新町(明海・日の出・高洲)の総額が中央値で6,600万〜7,300万円もするのは、取引される物件が100㎡前後の大型中心のため。

70㎡に換算し直すと、海側・新町 約4,880万円/海側・美浜 約4,850万円/陸側 約3,500万円。つまり「70㎡の3LDKを買う」前提なら、海側はどこもほぼ同額。陸側はそこから約1,400万円安い。

分かったこと2:㎡単価の差は「築年数」の差

総額 = ㎡単価 × 面積。わかったこと1では面積の総額に与える影響を見た。㎡単価のほうは何で決まるのか。まず大きいのが築年数。281件を築年帯で並べるとこうなる。

築年帯件数㎡単価
築10年未満3487.0万
築10〜19年4870.0万
築20〜29年7164.5万
築30〜39年4363.5万
築40年以上8147.1万

築10年未満と築40年以上では㎡単価が1.8倍違う。表から概算すると、築1年あたり㎡単価で約1.1万円、70㎡換算で約80万円。「築何年まで受け入れるか」は「いくら払うか」とほぼ同義だった。

分かったこと3:駅距離は単価を支える – ただし築年数と絡み合っている

もう1つの大事な要素が駅距離。駅距離帯で集計すると以下の通りとなる。

駅距離件数㎡単価築年
5分以内4273.9万築39年
6〜10分2649.4万築46年
11〜15分3147.8万築45年
16〜20分5260.6万築31年
21分〜7365.4万築22年

【疑問】駅から遠いほうが高い?
6〜15分の47〜49万円に対して、21分以上は65万円。通常駅近が高いはずが、逆転が起きている。

原因は築年数(表の一番右)。新浦安では「駅から遠い=新町=築浅」「駅に近い=中町=築古」となっていて、駅距離と築年数が逆相関している。駅遠エリアが高いのではなく、駅遠エリアには築浅しかないだけ。

この絡み合いは、わかったこと2の散布図でも確認できる。青(新町)は左の築浅ゾーンに、オレンジ(陸側)は右の築古ゾーンに固まっていて、色がきれいに住み分けている——地区を選ぶことが、築年と駅距離を選ぶことになっている。

それでも「5分以内」だけは築39年と古いのに73.9万円。駅近プレミアムが乗っている。

実例は美浜で、総額は新町より1,700万円以上安いのに、㎡単価69.3万円は新町の築20年前後と同水準。築40年分の値引きが駅4分で相殺されている。美浜は安く買える場所というより、築年数と立地のトレードオフの場所

コラム:相場サイトの「入船72万円」の正体

地区別に㎡単価の「平均値」を出した場合、入船は71万円で市内最高クラス。ところが「中央値」だと54万円。17万円のギャップがある。

元データを見ると理由が分かる。入船の成約の中に、築22年・駅2〜4分・㎡単価122〜153万円・成約1.1〜1.4億円という7件のかたまりがある(駅前のタワーマンションと推測)。この7件が平均を吊り上げている。タワーを除いた入船の実態は、築44年前後の団地中心で㎡単価50万円前後。 この7件は、わかったこと2の散布図でも確認できる。右上にポツンと孤立している点の群がそれ。

「平均」は少数の高額物件で簡単に変わる。この記事の数値をすべて中央値(取引を並べた真ん中の値)にしているのは、これが理由。相場サイトなどで平均値だけ見て「この街は高い/安い」と判断すべきでないと学んだ。

分かったこと4:面積・築年数・駅距離を揃えても安いのはどこか

以上より、価格は「面積 × 築年数 × 駅距離」でおおよそ決まると分かった。だとすると、条件を揃えて比べれば、「本当に割安な地区」が判明しそう。

築15〜25年 × 駅15〜25分の成約だけを抜き出して、地区別に比べてみる。

地区件数㎡単価価格
日の出3172.8万7,700万
明海969.2万6,500万
高洲1162.7万5,200万
東野1056.9万4,500万

築年・駅距離をほぼ同じ条件にして並べても、東野は日の出より㎡単価で16万円安い。70㎡換算すると約1,100万円の差。東野は、面積・築年数・駅距離を揃えても明らかに安く見える。

ちなみに東野の成約物件は面積の中央値が70㎡と、うちの探している「3LDK・70㎡前後」条件に合致。

なお美浜・入船・富岡はこの条件に合う成約がほぼ無く、比較表に乗せなかった。逆に言うと、新浦安では地区を選んだ時点で築年と駅距離もだいたい決まる、ということでもある。統計的な手法(回帰分析)で築年数と駅距離の影響を取り除いて全7地区を比較しても、順位はほぼ同じで、東野が最も割安という結論は変わらなかった(→回帰分析でのランキング詳細は別記事で)。

残る価格決定要素の候補は、ブランドや街の雰囲気だと思う。例えば東野は、新町のような大規模開発の統一感がないこと、バス便が前提になることは想像がつく。でも、それだけで1,100万円分差が出るのか? 机上で結論は出さず、現地を歩いて確かめたい(現地調査は別記事予定)。

※簡易的な集計です。厳密な分析ではなく「傾向を掴む」ための目安として。

まとめ

  • 70㎡換算なら海側はほぼ横並び、陸側は約1,400万安い
  • 総額の差を作るのは㎡単価ではなく面積。海側は大型物件しかない
  • 美浜=駅4分プレミアムが乗ってる地区。富岡=最安(㎡単価46万円)
  • 単価は「築1年 ≒ 駅1分」で概ね説明できる。東野はその中で唯一説明のつかない安さ。ファミリー4人家族の条件(3LDK・70㎡)とも合う穴場候補かも?
  • 相場サイトの「平均」は駅前タワーなどの例外物件があると大部分の物件実情と大幅にズレる。中央値と実際のデータ直接確認が大事。

賃貸相場は別記事で。東野が本当に穴場かどうかは、現地調査編で確かめる予定。

次回は子育てインフラ編。小学生の放課後居場所と、保育園の転園について、まとめて調査する。

出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産取引価格情報・成約価格情報(中古マンション等、2025年第2四半期〜2026年第1四半期、浦安市8地区・281件)を筆者集計。

コメント

タイトルとURLをコピーしました